「Romping Birdhouse おまけ」
いづみ


 あとがきのたぐいのおまけ・特別篇。
< B.L.-RB完結記念 スペシャル鼎談!
             ―いづみ×泉×春花 ノンストップつっこみトークバトル!! >


舞台の幕がゆっくりと上がると、そこには応接間のようなきちんとしたステージが作られている。
机を囲んで座るのは三人。
一人はやや気難しげな面持ちで真面目な顔をして、背筋を伸ばして椅子に腰掛けている女性。
一人はボーイッシュな格好で多少気楽に姿勢を崩して椅子に座っている小娘。
一人は優しげな顔立ちに多少の戸惑いを見せつつ、大人しく椅子に腰を下ろしている少女。
幕が開ききると同時に三人は客席に向かって座ったままお辞儀をした。

泉「―はい。とりあえず、今までの読了お疲れ様でした。」
い「怒涛のハイペースで我々が所属する創作サークルのサイトに連載された長編すちゃらか作品もとうとう終了。」
花「“Black Light-extra. ?Romping Birdhouse-”を読んでいただき、まことにありがとうございました。」
泉「…というわけで挨拶は終了なんですが。」
い「うん。」
泉「まずこの状況を説明してもらおうか。いきなり我々を呼び出した上にあの奇妙なタイトルは何だ。」
い「えー。すちゃらか作品のあとがきなんだからタイトルはあれでいいと思うけど。」
花「すちゃらか…。」
泉「…ネーミングセンスのなさはもう本編内で見せつけられたからつっこまないでおこう。じゃ、我々をここに呼び出したのはどういうつもり?それも春花まで巻き込んで。」
い「あ、それか。…ええと、今回の長編作品(B.L.-RB)はこうして無事完結しましたが。」
花「はい。」
い「さすがに連載ってことで更新を急いだ分、結構適当に書いた部分もあったりしたと。それと、今回は題材がちょっとアレだから。」
泉「…作者の過去話(実話)を一部モデルにしたんだっけ。」
い「そ。というわけでつっこみどころ満載の作品になってしまったってことなのよ。」
泉「つまり我々をここに呼んだのは…。」
い「うん。本文を一通り読み流して、そのつっこみポイントを片っ端から斬っていこうと思いまして★」
花「あの、じゃあ私が呼ばれたわけは…?」
い「ああそれはね。今回の題材が多少恋愛がらみだったから、担当の春花にも特別出演してもらおうと思って。」
泉「なるほど。…じゃあとりあえず読者に我々の自己紹介をした方がよくない?」
い「あ、そうだね。それじゃあたしから。―というわけで多分みなさまにもおなじみ、ライト系小説全般担当のメイン人格、暴走お気楽小娘のいづみです。今回の作品ではほぼ全ての作業を担当しました。」
泉「その相方を務めるシリアスというか真面目担当の、悩める苦労人少女の泉です。普段はB.L.シリーズの構成を担当してますが…今回の執筆に関してはいづみに完全に任せました。」
花「ええと、恋愛担当の恋する乙女、春花です。最近は休眠状態だったんですが…なぜか呼ばれたので来ました。」
い「はい。お二人ともありがとね。それじゃそろそろトークに入りますか。じゃ司会進行は泉に任せたから。」
泉「何で私が。ま、行数ももったいないし…はい、じゃあ早速トークに入りましょう。改めまして執筆お疲れ様でした。まずは今回の作品のそもそものきっかけから伺いますか。」
い「はーい。…最初のきっかけは、実はB.L.-1の完成した少し後にまで遡るんだけどね。」
泉「今からもう二年も前になりますね。」
い「うん。それであたしの後輩の一人、名前は…仮にRとしよう。彼女から来た手紙の中にこれの感想があったと。ところがそれがとんでもないものだった。」
泉「というと。」
い「『かつては愛した男を魔物にして殺しちまったアンタはすげぇよ。(笑)』」
泉「…は?」
い「いや、Rからの感想の最初の言葉がこれだったと。その名言にあたしは感動してね。」
泉「感動…。」
い「このギャグセンスは尊敬に値するよ、うん。まあそういうことがあって、更にこの感想には別のイラストが同封されていた。」
泉「じゃあそれが。」
い「そう。そこにはR(ホントは本名が入ります)的妄想裏設定、と題して今回の話に出てくる登場人物のイラストと解説があったのよ。ここからサークの過去話を作って下さいと言わんばかりのね。」
泉「なるほど。では、そこにあったのは?」
い「サークは本編(B.L.-1)に出てたから別だったけど、ヴィルとブラッドとリィナの基本設定が書かれていたのよ。…もちろん全員実在の人間をモデルにしてね。」
泉「じゃあその三人とサークからこの話は始まったと。」
い「うん。で、話を作るべくその設定を多少いじってB.L.世界に合わせて…話の都合上レイはこっちで作った。」
花「確かにレイさんの存在は必要でしたね。…実際の過去でも重要な役回りをしてましたし。」
い「そういうこと。付け加えるなら…実は私はブラッドのことは全く知らないんだよね。」
泉「え、じゃあ彼については完全な創作を?」
い「うん。ホントはモデルがいたんだろうけど、Rに許可を取って勝手に捏造することにしたの。…おかげでとんでもないことになったけど。」
泉「まあ確かに。」
い「ちなみにRからの指定は『頭中将みたいな』とあったんだけど、あたし日本史も古典も詳しくないから分かんなくて。というわけで都合のいいように作らせてもらったの。」
泉「…道理であの中である意味一番派手に動いていたわけか。」
い「この女性陣だとどーしてもサークにやり込められるばっかだからね。一人ぐらいはまともにサークの相手もできる人物がほしいと思ってああなったの。…書いてて楽しかったし。」
泉「おいおい。…まあそれがこの作品の成立の背景だったと、そういうわけですか。」
い「うん。ホントは去年の春に書くつもりだったけど大学が忙しくて。で、予定を一年ちょい遅らせての執筆になりました。」
泉「なるほど。じゃあもう一つ、連載という今までにない形をとったのは?」
い「うーん、これ書いてもいいのかな…まあいいや。いや、サークルのサイトがあるってさっき言ったけれど、あそこの更新ってぶっちゃけあまりされてないんだわ。(ゴメンナサイ) それでこのままじゃ見に来る人もいなくなると思って…で別の後輩が自分のサイトで小説の連載をしていたのを思い出して、自分も毎週の更新でやってみようと思ったわけ。ついでにあまり発表が遅くなるとRに悪いとも思ったし。」
泉「ところがそれが、結果としてとんでもないことになったと。」
い「うん。…連載ってこんなにきついものとは思いませんでしたよ、ええ。毎週迫り来る〆切、推敲もいい加減に発表する心苦しさ。」
泉「それはあんたの怠慢。」
い「…まあともかく、四ヶ月に渡って続けた連載だったけどどうにかこうして無事に終わったと。」
泉「前半はきっちり毎週更新してたけど、後半、サークル会誌の〆切を挟んで三週間休んでからおかしくなったね。」
い「う。…反省してます。ただその辺から思っていたよりも話が長くなってしまうことに気づいたから、更新のペースを変えることになったのよ。しかも夏休みに入ってからは安定した更新ができなくなったし。」
泉「まあそういうハード面の問題は仕方ないでしょ。何はともあれそうやってこの作品は書き続けられたと。」
い「そういうこと。」
泉「それじゃ、そろそろ本編に入りますか。…まずは全体を通しての総括を軽くやっときましょう。」
い「はいはい。感想としては…いい加減な作品でごめんなさい、ですかねえ。」
泉「まったく…そもそもこの作品、何なんですか。」
い「いやまあそれは。…当初は、青春成長ものラブコメ風味というか、ヴィルとリィナの成長をメインにすえて学園物のノリで書こうかと思っていたんだけど。」
泉「…だんだんノリがおかしくなってきたと。」
い「うう…そうだよ。で、でもさ。だってあいつらが勝手に喋るわ暴走するわ手におえなかったんだもん!」
泉「自分の作品の登場人物のコントロールができなくてどうするっ!」
い「だってー!ヴィルの会話とか書いてて楽しかったし…。」
泉「あれはただの地でしょうがっ!…もう、モノカキとしてもう少ししっかりしなさい。」
い「ううう…はい。」
泉「それからさっきちょっと言ってたけど。…長いよね、この作品。」
い「ストーリーを作ってる段階では5~6万字の中篇にしようと思ってたんだけど。」
泉「…は?」
い「書き出したら止まらなくなっちゃってさ。気がついたらこんな長く……って16万字?!ウソ!」
泉「ウソじゃないわっ!分かってんのかお前は、あのB.L.-1ですら11万字しかなかったってのに…。」
い「…よく頑張ったなあ自分。」
泉「まあ努力は認めるが、こういい加減な作品じゃあ…。」
い「だいじょぶ。読んでる人から見ればたぶん手間暇かけてる本編の長編と大差ないって。」
泉「自分で言ってて悲しくならないか?」
い「…少し。」
泉「はいはい。それから、この話の元になった過去についてだけど…これは春花に聞いてみよう。さっきから話すこともできずにいたみたいだし。」
花「いえいえ。…でも、過去の話のモデルとしては実話の通りですね。」
泉「というと。」
花「細かいところは結構違いがありますが基本的にはこの通りですよ。…最大の違いは二つですかね。一つは、セインの存在。」
泉「ああ。そういえば、B.L.-1ではサークに片思いらしきものをしたのはセインの役回りだったね。」
花「だけどそれはそもそもヴィルがしたはずの部分だったんですよ。だからその矛盾を解消しなくちゃいけなくなって、こういう形に変更になったみたいです。」
い「そうそう。だからもしあの作品がなかったら、セインの代わりに…。」
泉「ちょっと黙れ!それ以上の発言は実在の人間にまで迷惑がかかるからっ。」
花「…もうこの段階で手遅れのような気がしますが。まあそれが一つ目です。で、二つ目が…過去の決着ですかね。」
泉「それってどういうこと?」
花「いえ、怒られた辺りまでは実話なんですが。…正確には何を怒られたのかの記憶が残ってないんですよ。」
泉「は?」
い「嫌な記憶は抹消されたのさ。というわけでレイがサークの言葉を聞いて、それをヴィルに話して泣き出したシチュエーションはそのまま。だけど肝心の怒られた内容、つまりあたしが本当に反省すべき点は何だったのか…どうしてもそれが思い出せなくてねえ。」
泉「ちょっと待てっ!それが一番肝心なとこだろっ!」
花「そうなんですが…どうしても思い出せないんですよ。実際、もう三年半も前のことになりますから。」
い「時効だよ、時効。」
泉「んなわけあるかいっ!…ああもうだからやっぱり懲りない人間扱いなんだよ我々はっ。」
花「…すいません。」
泉「まあこの点はここで扱うべき話題じゃない気がするので、省略しよう。…ということは小説内での内容は創作?」
い「そ。まあ展開的にこれを注意させるのが妥当かな、と。実際、叱られたのはあたしが自分の気持ちはともかくとして暴走して…確か余計なことまで口走ってサークの怒りを買ったようなものだったはずだから。」
花「実話と小説が微妙に混じってますね。」
い「いや、さすがにアレの名前を出したら最後、あたしは間違いなく殺されますので。」
泉「…。まあいいや。」
花「ちなみに念のため付け加えておきます。作中の二年前に関しては大半が実話をモデルにしてますが、現在に関しては現実世界とは全く異なっていますのでご了承下さい。」
い「いくらあたしでも二年はもたないよ。ま、せいぜい半年だったね。」
泉「はいはい。それじゃ登場人物についての話もしときますか。」
い「ほいきた。とりあえずメインの五人とあと脇役をまとめて、でいいかな。」
泉「そんな感じで。では、トップバッターはヴィルことヴィラーグ・セアノサス嬢。」
い「はい。…まあこれは実際のいづみを知る人ならすぐにぴんときたよね。モデルはあたし自身です。だから作品内でもほとんど地で動いてました。いやあ書きやすかった。」
泉「目立ちすぎ。」
い「う。…うん、ホントはもう少しリィナの方をメインに持ってきたかったけれど…まあサークの過去話ってこともあってどうしてもヴィルの方が前に出てきちゃったって感じかな。彼女に関してはもらった設定をほぼそのまま使ってあります。未練がましいのも。で、結果的に群像劇のはずが主役を取ってしまったと。」
泉「それじゃダメでしょ。…続いてもう一人の主役的存在、リィナことリィアーナ・グランファについて。」
い「これは実はRのことです。サークとの『猫回しと飼い猫』関係も彼女のアイデアというかほぼ実話だったね。ちなみにサークとの取引については小説オリジナル…のつもりだったけどあんまり実話と変わらなかったかもしれない。ちなみにもらった設定ではいつも眠いそうですが、さすがにそこまでは書けなかったなあ。」
泉「というかかなりアクの強いキャラになってますが。」
い「うーん…Rはさすがにここまでワガママというかしたたかなキャラじゃないと思います、はい。ただついつい書いてるうちに調子にのってこんなキャラになっちゃいましたが。」
泉「なるほど。それじゃ今度は…改めてサーク・ブーフェットについての補足をしてもらおうかな。」
い「うん。基本的なことはB.L.-1のあとがきの通りなんだけど…今回は他の登場人物にあおられてかなりボケの度合いが上昇してます。」
泉「おい。」
い「実際のサークはもっと落ち着いてて大人でそしてやっぱり策士です。間違いありません。」
泉「…それはあんたの被害者妄想が入ってるような気もするけど。」
い「まあ小説のメインキャラってことでかなりいづみ風に変化させました。モデルの…名前を出すのは怖いが仕方がないのでKとして、そのKに近いのは間違いなくB.L.-1の方でしょう。ま、この作品自体B.L.-1の二年ほど前ですから多少は幼いってことで…。」
泉「高校時代の過去なんだから年齢は今作の状態で合ってると思うけど。」
い「…。」
泉「作者の幼さが出たんだね。はい、じゃ次はレイ・ピーネについて教えてもらいましょうか。」
い「へい。これはRからの指定はなかったんですが、あたしことヴィルの過去を書くにはどうしても必要な人間だったので登場させることにしました。モデルは同級生のMです。」
泉「過去、つまり昔は図書室でよく一緒にいた、ってあたりは実話なんだよね。」
い「そう。とはいえ久しく会ってないからどこまで彼女の性格を再現できたのか…おおむねあれで間違ってないとは思うけれど。」
泉「ツッコミ役のまともな人間ってところ?」
い「そうだね。ちなみに彼女にも連載前の予告編の時点でこの作品のことを連絡しときました。そしたら返ってきたメールが…『出番楽しみにしてるよ(やけくそ)』。」
泉「やけくそ…。」
い「まあサークにばれたらやばそうなのはあたしとRだけじゃないってことかな。Mには責任ないけどね。」
泉「鬼だなアンタ。それじゃ最後にブラッド・ダザイフを。」
い「はいはい。これはRからの手紙に指定されてました。頭中将みたいな感じで、サークの元ルームメイトで、サークとの間に流れる怪しい雰囲気に多くの乙女は悩殺だとか。」
泉「…あれって設定段階から決まってたのか。」
い「そうじゃなかったらあんなネタ使わんわい。まあそういったところ。で、ホントは東洋テイストを加える予定だったんだけど…。」
泉「それも指定?」
い「そう。うちのB.L.世界は基本的に西洋系ファンタジーの世界観なんだけど、Rいわくそこに東洋テイストも入れてみてはどうですかと。…結果的には今回そこまで手が回らなかったけれどね。これは今後の課題に。」
泉「なるほど。で、性格その他は捏造だと。」
い「うん。頭中将なんて分かんなかったし。」
泉「調べろ。」
い「…か、書き出した頃はあまり暇がなかったんだよう。それに一人ぐらい自由に動かせるキャラが欲しかったし。」
泉「確かに後半部分で物語を進めたのは彼だったような気がしなくもないが…性格というよりは役回りだったなあ。」
い「そういうこと。だから、やっぱサークとまともにやりあえる人間が必要だったのよ。…今回の作品ではサークも多少弱体化してるけれど。」
泉「リィナにある意味やりこめられてるあたりでかなり微妙じゃないのか。」
い「まあ、実際のKも結構苦笑いして受け流すこともしてたからね。これぐらいはアリかと。」
泉「なるほどねえ。あと、脇役については何かある?」
い「特にこれといってはないかな。全員、話の展開に合わせて適当に作ったから。実は二人ほど読者に協力してもらったのもいるんだけど、これは登場したところで説明するよ。その方が分かりやすいから。ただ…。」
泉「ただ?」
い「…また人を殺したなあ。」
泉「あんた一部の読者に、登場人物を殺しすぎだと言われてなかった?」
い「…いやまあそうだけど。ファンタジーだとこう犠牲者がいる方が分かりやすい脅威を描けるから…。」
泉「安易。そしてやりすぎ。というかメインの長編2作(B.L.-1と-2)でどちらもサブキャラを殺してるってのはどうなのよ。サークといいイディルスといい。それから昔のレイティといい。」
い「うん。…やっぱレイティとかサークを殺したのはもったいなかったかなあ。」
泉「今更言っても遅い。」
い「次は、次こそはサブキャラを殺さないつもりだから!B.L.-3のゲストは死なないから!」
泉「代わりに名もなき一般市民が犠牲になるくせに。」
い「……。…ってちょっと待て。原作の構成を担当してんのは、泉、アンタの方じゃないの?」
泉「…さてそれじゃそろそろ本編へのつっこみに入りますか。」
い「逃げるなー!」
泉「うるさいっ!だいたいここまででもう7千字近く書いたんだ、時間がかかりすぎだろうがっ!文句言わない!」
い「ううう…だまされてる気がする…。」
泉「あきらめよう。それじゃ早速、本編に突入しますか!」
い「はーい。」
泉「まずは…今回は前書きとして献辞のような言葉がありますね。珍しい。」
い「うん。やっぱり、この話ができたのはRやある意味MとKのおかげだったと思うから。そういう意味とあの頃の自分へのささやかな慰めとして。」
泉「なるほどね。…そしてタイトル。」
い「よくタイトルの意味を聞かれますが、今回はこれまた珍しく本編中で書かれてます。詳しくは後ほど。」
泉「続いてプロローグですか。この頃はまだしっかりと書かれてる…気がしなくもないかな。」
い「ここの雰囲気としては高校時代の図書室をある程度イメージしました。実際はもっと明るいしガラス窓にカーテンとかもかかってなかったけれどね。確かKは図書委員だったからいつもカウンター内にいたのよ。」
泉「そして、猫回しと飼い猫ですか。」
い「この表現は二人…サークとリィナの関係を表すのに非常に適切だと思ったので。無理やりにねじ込みました。」
泉「そんな中、空を飛ぶ飛竜。」
い「…まあ、早いうちにファンタジーらしさをある程度出しておこうと思ったので。」
泉「実際、後半のバトルあたりを除いてはほとんどファンタジーじゃなかったような気がします。」
い「…ちなみに飛竜の運送便ってのは書いた以上は公式設定として採用されます。友人いわく、メッセンジャーの飛竜なんて何か安っぽいそうですが。」
泉「まあそうでもしない限り、ワープ系の魔法を使わない場合は長距離の輸送や伝達方法なんてほとんどないだろうからね。」
い「うちの世界観では魔法の体系に合わないのでワープも情報伝達も使ってません。」
泉「異界との『門』はどうなの。」
い「……。」
泉「それじゃさくさく次にいこう。…ここで爆発ですか。」
い「シリアス風味に見せかけといて、実はかなりコメディだというオチ。」
泉「まあ確かに。コメディというかギャグだろうけど。」
い「…似たようなもんじゃん。」
泉「はいはい。で、ようやく第一章のタイトルですね。」
い「今回の各章のタイトルは、実はそれぞれ過去の言葉から作ってます。…二章四章は多少捏造ですが、まあ言っていてもおかしくない言葉だと。そういう事情があるのでこれ以上の解説はしません。」
泉「ばれるといろいろやばいとか。」
い「まあね。でもほとんど中学英語だから簡単に訳せるでしょ。…ちなみに予告編でこのタイトルを見たMいわく、『全部意味分かったよ』と苦笑してました。」
泉「…だろうね。そしてようやくヴィルの登場…マッドサイエンティスト?」
い「あたしの理想です。」
泉「おい。」
い「いや、『実験中に爆発を起こすのは修道院時代から変わっていない。でも爆発を聞きつけたサークに「またやったのか、ヴィル…」と言われるのがうれしくないわけでもないらしい』とはっきり指定されてましたから。」
泉「なるほど。」
い「まあこの時点でヴィルの方向性は確定しました。間違いなくこいつはお笑いだ。」
泉「…おーい。」
い「んでそれが次のシーンのレイとの会話につながります。」
泉「会話のノリは当時のほぼそのまんまだね。」
い「うん。…で、ついレイには彼氏をくっつけちゃいました。」
泉「ついなのか。」
い「まあこの小説を考え出した時点では間違ってなかったはずだ。今はヒミツ。」
泉「そして伏線的なサークの仕事シーンがあるわけだが…何これ。」
い「いや。かなり大きな神殿だし、内部の仕事はこうお役所的にまとめられているんじゃないかと思って。」
泉「…さすがにこれはやりすぎじゃないのか?神殿の雰囲気ゼロでしょ。」
い「まあライセラヴィは組織化が進んでるって設定だから…ファル教ならもっと神官っぽくなっただろうけど。」
泉「それから今度はリィナとヴィルとの会話。…いきなり食事取られてるね。」
い「一品提供で相談に乗るってのはまあこの方が関係をよく表せるかと。ちなみにあたしはケチなので、実は同じ部活に所属していたRにほとんどおごってやったことはありません。」
泉「…ひどいセンパイだな。」
い「高校生に何を求めるんだ。あ、でもハムカツは当時の練習後の帰り道にたまに食べてた品だったの。夏場はアイスになるけど。」
泉「100円もしない品なのにおごってやらなかったと。」
い「後輩はR一人じゃなかったの。その上同級生の人数も少なかったし。」
泉「はいはい。…で、そろそろ過去の話が見え隠れですか。」
い「いつもは全部書いちゃうから、今回の話としては過去は断片的にしか書かないようにしてみようと思って。…微妙な書き方になったけどね。」
泉「意外にシリアス風味で。」
い「まあ恋愛ネタはさすがにふざけてばかりもいられないから…ねえ。」
花「そうですね。でも、これは結構極端な書き方をしてるような。」
い「演出えんしゅつ。まあそれなりにヴィルも悩んでるってこと。」
泉「で、翌朝の情報交換シーンですか。」
い「まあ間違いなくリィナならこうするだろうと思って。サークからブラッドの情報をもらう代わりに絶対服従ってのは指定があったから。」
泉「…服従してんのかなあ。」
い「真面目な部分ではわりとそうじゃないかなあ。ギャグは別だけど。」
泉「へえ。…で、いよいよ殺人事件の方も話にからんできましたか。」
い「そう。学園物、とはいったけど何か事件の一つでもなけりゃ話が進まないし…何よりブラッドが帰省できないから。というわけでこんなことになりました。」
泉「しかしこの書き方だと、ミステリー風味も加わるよね。」
い「…おかげで後で大変な目にあうのですがこれも後ほど。」
泉「続いてレイとヴィル、それからリィナとヴィルの会話ですね。」
い「まあこれは話を普通に展開させてます。」
泉「そして事件の現場に赴いたレイ…また人が死んだねえ。」
い「そりゃあ殺人事件ですから。」
泉「そして惨殺されてるねえ。」
い「そりゃあ演出ですから。」
泉「いい加減にしなさい。」
い「…はい。」
泉「それから、再び神殿にてまたリィナとヴィルとの会話ですか。」
い「過去のことを書いたり話を進めてみたりと結構長話になったけどね。」
泉「というかこのあたりから会話内にムダ話が多くなってきたような。」
い「まあ演出とギャグですよ。」
泉「ムダが多すぎるって言ってるの。…だいたいギャグは下手なくせに。」
い「う。」
泉「まあここまでくればリィナとヴィルの立場についてはよーく分かりましたが。」
い「そういうこと。…で、夜のシーンに出てきたのはシン・リトル。」
泉「彼女は…読者の協力によるもの?」
い「そ。いや、今回の作品の執筆にあたって、サブキャラとして出たい人はいないか募集したのよ。特にこのシーンともう一つぐらいはサブキャラを使いたかったから。で、それに乗ってくれた内の一人…今回はBとしよう。彼女が自分をモデルにして作ってくれたキャラがシン・リトルだったわけ。ちなみに設定としてはちみっちゃいらしい。」
泉「ちみ…小さいってことか。」
い「まあそんな感じ。で、ようやくブラッドが姿を見せることになるわけですが…。」
泉「どしたの?」
い「…いや、ここで胸元の飾りを伏線っぽく書いたけど回収をすっかり忘れて。慌てて四章にねじ込む羽目になったんだよなあと思い出して…。」
泉「愚か者め。伏線ぐらいきちんと把握しときなさい。」
い「連載として出した部分は修正しないことにしてたから、どうしようもなかったんだよー!気づいたのが四章を書いてる時だったし。」
泉「この分だと気づかずにそのままになってる伏線が他にもありそうだな…。」
い「気づいたらここでせめてフォローします、はい。」
泉「本編でやりなさいっての。そしてようやくサークとブラッドが再会して、第一章は幕を閉じると。」
い「そんな感じ。んじゃ続いて第二章。」
泉「…またいきなり妙なのが出てるねえ。」
い「女三人姦しい。もう文字を見るからにその通りだよね。」
泉「さすがにこれはモデルとかないよね。」
い「当然っ!まあRに指定された悩殺乙女たちってことで。」
泉「レイとシンが同期の知り合いになってるのは?」
い「モデルのMとBが二人とも同級生で、理系のあたしやKと違って文系だったから。それくらいはいいかなあと。」
泉「なるほど。で、情報を回したところで図書室のシーンに。」
い「実際は朝の図書室って何人か勉強に来てる人が多かったけどね。」
花「そういえば大声で話しすぎてよく怒られてませんでしたっけ。」
い「…まあね。それは三章に付け加えといたけど。」
泉「そういやここでライセラヴィの教えについてちょっと触れられてるね。」
い「そう。嘘はつかないってやつだけど…結構解釈は緩めにしてある。セインなんかは真面目な方だけど。」
泉「沈黙による嘘は認めるのかどうかってところか。」
い「話の都合上セインもその点はもう妥協させてあるけどね。」
泉「それは都合というよりあんたの力量不足なだけ。」
い「…まあサークに関しては策士的な設定である以上これくらいの考えはもっててもらわないと困るので。」
泉「はいはい。それからしばらくしての図書室。」
い「ここはヴィルの目から見たサークの演出と、後半への伏線。」
泉「ここだけ描写が妙に細かいからある意味バレバレ。」
い「…。」
花「実際、Kはいつも図書室にいて本を読んでるイメージがあったのはホントのことですしね。」
い「そう。ま、ここでは恋する乙女的演出を加味してありますが。」
泉「そして進む殺人事件…っていうか展開速すぎ。」
い「この頃はちょっと文章の調子が悪かった。でも〆切は迫ってくるから仕方なくそのまま出したんだよね。」
泉「でもそれは言い訳にしかすぎない。まあ頑張れってことだ。」
い「…はい。」
泉「で、またリィナとヴィルの会話。ここはわりとしんみりとさせてるね。」
い「そろそろ真面目な話もしておかないと。恋する女の子は悩みが多いんですよ。」
泉「はいはい。そしてブラッドがサークの部屋に来るシーンだが…ここは。」
い「うーん。ここからブラッドの暴走とサークの崩壊が始まったのかなあ。」
泉「笑顔で言わないそこ。ブラッドは設定と展開があるからまだしも、サークに関してはやりすぎだろう。」
い「うん。そう思った。そしてあたしは考えた。」
泉「ほう。」
い「連載中のなかがきでも言ったけれど、これはKじゃなくてサークだから。オッケイ!」
泉「おっけい、じゃないわ!」
い「まあここでこの二人の漫才コンビは決定してしまったと。そういうシーンですなあ。」
泉「あのねえ…。」
い「ま、翌朝はサークとリィナの丁重な会話から始まると。どちらも軽い二日酔いが入ってるかもしれない。」
泉「何だかなあ。まあここは展開を進めるところか。」
い「そしてヴィルの爆発で場面転換。ついでに三人を一箇所にまとめておいた。」
泉「そこにレイがやってきて事件の話をしたのだが。」
い「そう。で、突然現れるブラッド。強引にサークを説得して事件の捜査に加わることになりました。」
泉「でもご都合主義だよねえこの展開。ホントに偶然聞いていたなんて、そんなのアリですか。」
い「…他に合流させるいい手段を思いつかなかったのよう。」
泉「はいはい。話はきちんと練りこむように。」
い「へい。んで、ついに強襲…の前のシーンですね。」
泉「リィナとブラッド、ヴィルとサークでちゃんと対話させる結構重要なシーンになるわけだ。」
い「うん。まあブラッドも一応聖騎士だから、真面目に頼りになるところも見せておく必要もあったし。」
泉「それから恋したきっかけの回想……噴水頭?」
い「いやこれもRからの指定だから。しかもひとめぼれだそうな。まあ恋に落ちるきっかけなんて人それぞれさ。」
泉「一方のヴィルとサークの会話は…サークの保護者っぷりがつっこまれてますね。」
い「設定ではここまでなかったけれど、書いているうちにだんだんと猫回しから保護者になってきたかと。これは後半で更にアップします。」
泉「更にかい。…それからそろそろ過去の核心に関連する発言も出ました。」
い「なるべくさらりと書くようにはしてみたけど。まあ、今作の重要な部分だからね。」
花「…実際、この心理は自分でもよく分かりませんけど…ある意味やけになってたのかもしれません。」
泉「うーん。手に入らなければいっそ、ってやつ?」
花「それとそうすることで相手の近くにいようとするのもあったかと。考えればおかしな話なんですが。」
泉「くっつけたら意味ないしねえ…でも壊すつもりでくっつけてはないんでしょ。」
花「まさか。上手くいけばいいなあって本気で思ってましたよ。…うーん、やっぱり変ですねこれ。」
泉「まあそのうち心理学の本でも覗いてみるってことで。で、問題の突入シーンですが…。」
い「思いっきりあおっといて実はあっけないという。ええ仕様ですとも。」
泉「それからブラッドの壷回収。…結構無理がある設定だよね。こんないい加減な捜索でいいのか?」
い「こうでもしなきゃブラッドが壷を手にする機会がない…。」
泉「言い訳は結構。で、ここで姿を見せた女性ってのは。」
い「本編ではわざわざ書かなかったけど、もちろん壷の真の持ち主の女性、エネヴィです。」
泉「都合のいい登場の仕方だよね。」
い「…え、演出と真犯人の伏線を張る必要があったんだよぅ。」
泉「はいはい。…そしていよいよ大騒動の飲み会のシーンか。」
い「当初は夕食会のつもりだったけど、せっかくだから盛り上げちゃえと打ち上げということにしてみました。」
泉「…酔いすぎると記憶がなくなるのはほんとのことだから厄介なんだよ。」
い「まあね。最近はなるべく自制するように気をつけてますが…酒に飲まれないようにするってのは難しいねえ。」
泉「いい年した若い娘とは思えない台詞だな。いつか痛い目を見るぞ。」
い「…一年の時にクラスメイトの男子とサシで飲んでやってしまい、サークルの友人たちに叱られました。というかこの時初めて記憶を飛ばしたんですが。」
泉「何事もなくてほんとによかったよ、まったく…。」
い「まあ飲み会に至るまでの説明は適当に流して、飲み会本番へ。」
泉「…リィナが大変なことになってるね。」
い「まあいい加減こんな目にあってりゃキレてるかと。演出上サークには犠牲になってもらいました。」
泉「そして飲み会は終盤へ…ヴィルがついに暴走して、一気に場が冷めるシーンですね。」
い「そう。これくらい派手にやらないとヴィルが出辛いからね。ちなみに確か一度目の下書きではもっと派手にそれこそ泣いてヴィルが飛び出したけれど、多少抑えてみました。これはレイとの会話の都合…というか書き直したからこの後の夜道の会話シーンが追加されたんだけど。」
泉「今回の執筆中では最大のリテイク箇所だね。」
い「うん。で、ヴィルは背を向けて強がって出ていくわけだ。」
花「…この演出好きですねえ。」
い「前に使ったのはそっちの作品だろう。」
花「まああれは設定の都合上です。というかこれって大学時代の話じゃ…。」
泉「はいそこ危険なトークはストップっ!ここで検閲入れとこう。」
い「ちぇ。…まあ強がるのは多分この頃も今も変わってないと思うけれど。」
花「そうですね。あの時の電話も、それから…。」
泉「だからやめんかい。まあ電話の件はもう少しだけ後で解説してもらうから。」
い「へい。…店に残った側はまあこうなるかなって思って普通に書きました。ブラッドにちょっといい人になってもらって。」
泉「で、その後の夜道のシーンが…とっても重要なところですね。」
い「今回の話を書く上で一番実話と密接に関わったところだからね。んじゃ春花、解説よろしく。」
花「はい。まあもともと、Kを怒らせた一件が確か冬休みの直前にあったんですよ。…もう内容は覚えてませんが。」
泉「肝心なところが抜けてないかそれ。」
花「…すいません。それで、それから少ししてだったかな…クリスマスイブの前後だったと思います。Mから夜に電話がかかってきまして。」
い「何かドラマだなあ。」
花「MはもともとKとも割と仲がよくてメールとかもしてて、よく私自身も相談に乗ってもらってたんですよ。まあそこでMが電話口で教えてくれたのがKの怒りのことでありまして。」
い「そこであの名台詞が出たわけだ。」
泉「まあそれは四章まで残してありますが。」
い「ついでに一章のタイトルにも使ってますが。」
花「で、電話口でホントにMの方が泣き出してしまって…かえってこっちは苦笑しちゃったんですよ。ある意味ショックが大きくて放心状態だったのかもしれませんけれど。まあ話としてはここまでで、一度切ります。」
泉「続きはまた四章にてってことで。で、本編に戻ると二人の会話のシーンですね。」
い「一度こういう短い会話をやりたかったのよ。」
泉「微妙に浮いてないかここだけ。」
い「やりたかったんだもん、いいでしょ。」
泉「そう言い張るならきちんと文章修行をしてきなさい。」
い「はい…。ちなみにここで、今作のメインタイトルの意味が明らかになります。」
泉「作中で書くのは今までにあまりないパターンですね。」
い「今回のタイトルは今までほど露骨じゃなかったから。それに偶然とはいえしっくり収まったので書くならここでしかないと思ったわけ。」
泉「なるほど。それから、帰ってきたサークとブラッドの対話ですね。」
い「まあ伏線を一部回収しつつ…更に引っ張るつもりで。事件の方とヴィルの過去の方と両方ね。」
泉「妥当かな。そして最後に…牢の男の様子。」
い「まだまだこの話は終わりません、これから更に続くんです!…と思いっきり引っ張ってみました。」
泉「…また殺されるんだよなあこういうサブキャラが。」
い「てへ。」
泉「てへ、じゃないっての。…そして三章に突入と。」
い「そう。事件が未解決なのをこれでもかと演出してます。ちょっとホラー風味で。」
泉「まあそれはいいんじゃないかな。…でもその次のこれは何ですか。」
い「いわゆる一つの夢オチ。」
泉「いやそうじゃなくて。」
い「ホラーをもうちょっとひっぱっただけだって。せっかくだし。」
泉「…別にいいけど。そして事件の捜査本部……警察?」
い「自警団なんて似たようなものかと。」
泉「いやに現代化されてないかここも。」
い「刑事ドラマを参考にしてみました。」
泉「んなもんするな。…そして明らかになる真実。そんな中飛び出していくブラッドと急展開ですね。」
い「まあそろそろクライマックスなので盛り上げないと。…ちなみにここで情報提供してくれた役が読者からの協力二人目のエレイン・ゼフィランスです。イメージは可憐な白ユリだとか。」
泉「なるほど。…その割には扱いが小さいよね。」
い「ほんとはもう少し書きたかったんだけど、展開の進みが速くなったので…シンと比べるとちょっと悪いことしちゃったかなあ。ごめんねエレインのモデルのAさん。」
泉「まあそれはともかくとしても。…ヴィルは何をしてるんですか。」
い「発明家といえば『こんなことはあろうかと。』発言はお約束でしょう。」
泉「…ベタだなあ。」
い「どうせならヴィルにこれを言わせてみたくてさ。もちろんここで出てくる発明品はこの例に洩れずご都合主義的な品です。」
泉「追尾用の発信機か…確かに展開としてはここでこれがないと困るよなあ。」
い「そういうこと。それが都合よくヴィルの鞄にあったのは…事件の捜査にあたってとりあえず実際に使ってみたかった試作品を幾つも持ち出してきたということで。」
泉「やっぱりご都合主義だな。」
い「お約束という奴ですよ。」
泉「…で、ここから先行したリィナ・ブラッド組と後のヴィル・レイ・サーク組に分かれるわけか。」
い「二組を交互に書いていくのは割と基本にそって。ちょっと切り替えのテンポが悪かったのが痛いけれど。」
泉「かといって話を短く切りすぎてもおかしくなるから…加減次第かな。」
い「うん。というわけでリィナとブラッドのやりとりとか図書室でつい大声を出すヴィルとかセンスのないネーミングの発明品だとかを織り交ぜつつ、事件の真相…壷の魔人の存在が明らかになっていくと。」
泉「…しかし現れた女性は狂っていた。今度は殺すんじゃなくて発狂させたんですか。」
い「いやまあねえ。こんな殺人したんだし、それくらいの状態にはなってるかなあと。」
泉「それはともかくとして。」
い「ぎく。」
泉「ここで明らかになった犯人…外部犯だよねえ。」
い「う。」
泉「あれだけあおっておいてオチがそれかいっ!」
い「いやだって当初からそういう予定だったし!ホラー仕立ての演出は基本でしょ!」
泉「…これで、内部犯を期待して犯人を推理してた読者の大半が失望しただろうなあ…。」
い「こないだ、この直前あたりを更新した直後に部活の同窓会であったRにも言われました。犯人誰ですかねって。」
泉「あーあ。」
い「…そ、そんなこと言われても仕方ないでしょ!最初っからこの事件は外部犯だと決まってたのー!えーん!」
泉「泣くな。…じゃあ本編に戻ろうか。そして魔人の攻撃がっ!―というところでおもむろに入る回想シーン。」
い「ここでやらないと説明ができなかったから。」
泉「それはいいけど…やっぱここ長いって。もう少し圧縮すべきでしょ。」
い「いや会話がついつい盛り上がって…。」
泉「もうその言い訳はいいから。」
い「ちなみに大神殿へやってきた泥棒の正体はさすがに分かったかな?せっかくなので彼を出してみました。」
泉「詳しくはB.L.-2参照…って宣伝はいいから。まあこうやってブラッドの帰省の真相も明らかになりましたが。」
い「都合のよさはサークにも言われてますねえ。」
泉「作中人物に言わせてれば世話ないよ。今度からはきちんとするように。」
い「はーい。…まあ何はともあれようやくファイナルバトルに突入です。」
泉「やっとファンタジーらしさが多少は入った…かなあ。」
い「剣と魔法はファンタジーの基本。ただ、今回は一つ問題がありまして。」
泉「というと。」
い「いや、実は今までの小説は味方側が二人以下の戦闘しか書いたことなかったのよ。」
泉「短編は、主人公は多くて二人組。三人組パーティのはずの長編ではナシィの単独特攻が多い…そういうことか。」
い「そ。だから慣れない集団戦は文章としていまいちだったかもしれない。これも今後の課題の一つかな。」
泉「なるほど。で本編は…しかしついに犠牲となるリィナ、その末に魔人は再び封印される…と。」
い「ここでリィナを犠牲にしたのは四章の都合だけどね。」
泉「都合か。つまりブラッドがさっさと壷を回収して出てっちゃうのも都合なわけだ。…レイの言葉じゃないけど、さすがにこれはひどくないか?」
い「…まあ彼も任務のことでイッパイイッパイだったんだよ。」
泉「書き落としたと正直に言ったらどうだ。」
い「まあここで下手にリィナの看病に行くと壷の回収とかが困るから。とりあえずヴィルたちが向かったし、後でサークを介して声をかけようとか思ったんじゃないのかなあ…。」
泉「と、言い訳を考えたわけだね。」
い「…はい。」
泉「じゃ、ついにエンディングの第四章に入りますか。」
い「ほいきた。まずはリィナの目覚めと、ここではレイとリィナという珍しい組み合わせのシーンです。」
泉「小説内でもほとんどこの二人は接点なかったけれど…。」
い「実際にRとMも面識はないんじゃないかな。ただ今回はこうした事件に巻き込まれたわけだし、とりあえず一旦ヴィルには大人しくしててもらいたかったのでこうしてみました。」
泉「ここではレイが唯一ブラッドの行動に対して怒りを示してますね。」
い「リィナは責められないだろうしサークも事情が分かってるからね…リィナの裏事情を詳しく知らない彼女なら、ブラッドの行動を責められるかと思って。こういう発言も必要だし。」
泉「というか彼女のこの発言が一番常識的じゃないかと思うけれどね。」
い「…まあこの五人の中ではサークと並んでまともな人物だから。」
泉「そしてようやくレイの口から語られる、二年前の真相…の一部。」
花「一ヶ月のぎくしゃくは実話です。ホントに一月ぐらい挨拶しても返事が来なくて…かなり辛かったです。でもMから電話で話を聞いたことを話していいのかも分からず、結局こちらから謝るきっかけもつかめなくてそのままで…一ヶ月ぐらいしてようやくKが態度を軟化させた、と見てもいいのかな。あるいはあきらめたか。」
い「毎朝の図書室通いも当然実話。まああたしはMよりも他のメンバーと話してることの方が多かったけど…。」
花「どちらにせよ、Kはたいていいましたね。」
い「まあやつは図書館の主だったから。」
泉「図書館通いは卒業したらそりゃやめざるを得ないよなあ…高三の話だし。」
い「で、ここでのリィナの真面目な発言は…書いてるうちにまとまってきたあたしの結論みたいなもんです。ひょっとしたらこのあたりが怒られた真相かも。」
泉「…遅いわ。」
い「まあこうやって書くことで考えが整理できたわけだし。そしてレイの口から洩れたあの科白。」
花「未だに覚えてますね、本人ではなくMから電話越しに聞いたとはいえ。…やっぱり印象深かったから。」
泉「まあこうしてリィナとレイの会話は終わったわけだ。その一方で、サークとブラッドの別れのシーン。」
い「実はここ、かなりの難産でした…やっぱ黙ってブラッドが去っていくのはどうかとおもってねえ。」
泉「…さっきと言ってることが違わないか?」
い「いや、当初は単に時間がなくてブラッドはすぐさま帰ることになって、で見送りにこれたのは気づいたサークだけ…のつもりだったんだけどね。見舞いぐらいすぐできるしサークのところに荷物も取りに来なきゃいけない。というわけで辻褄合わせが大変になりました。」
泉「道理でブラッドの主張に無理があるわけだ。」
い「いや、それはその。…まあ最終的には上手くその後のリィナの話に持っていけたからいいんじゃないかな。結果オーライってことで。」
泉「……。」
い「あとはブラッドの過保護なぱぱさん発言。うん、やっぱサークは猫回しってよりも保護者になっちゃいました。」
泉「結局モデルを離れるんだよねえ。」
い「まあついつい筆がのっちゃって。えへ。でもこれもまとめとしてつなげるにはいいかなと思ったし。」
泉「怪我の功名…。」
い「それは言わないお約束。結果が上手くいってればいいからさ。」
泉「いってさえいるならね。」
い「…。」
泉「で、B.L.-1のセインの話を混ぜつつ、サヨナラのシーンです。」
い「あたし、別れとか最後を書くのが苦手なんだよ…どう締めくくっていいのか分からなくなって。」
泉「道理で話がいつまでも長いわけだ。」
い「いやまあ。ま、こうして壷を土産にブラッドは帰りましたとさ。めでたしめでたし。」
泉「ここで第一章の後すっかり回収を忘れてた胸元の聖印の伏線も回収できたわけだと。」
い「…はいそうです。」
泉「まあもういいけどね…そして翌朝、ヴィルとレイとサークの朝食シーンか。」
い「うん。で、ここで回収し忘れてた伏線にさっき気づいて慌てて付け加えたのが、」
泉「さっきって…。」
い「このあとがきを書いてて。まあとにかく急いで女性の正体についての話を付け加えました。」
泉「忘れるなよそんな大事なところ。」
い「いや、三章が終わった段階で事件には決着がついたと思っちゃってつい。」
泉「…それで伝言の受け渡しと、レイとサークの言い合いですか。」
い「ここまでレイがもめるとは正直思ってなかったけれど…まあ仕方ないかと。彼女の怒りはもっともだしね。」
泉「ついでにヴィルのうっかり炸裂。」
い「そろそろある程度レイに知らせておかないと、上手くラストに持っていけないじゃない。」
泉「…登場人物の行動はこうやって作者によってコントロールされるわけですか。」
い「あはは。まあこういうへまをやってこそのヴィルだし。」
泉「そうやってまとめたところで、いよいよラストシーン。ヴィルとリィナの会話ですね。」
い「うん。それでまあこの作品のテーマだった、それぞれの成長をちょっと形にしてみました。」
泉「ほほう。」
い「…ってゆーかそれを思いついたのは四章を書きながらですが。」
泉「おいちょっと待てやコラ!」
い「まあ結論としてはこういう方向に行くのが妥当かな、と。どう、春花?」
花「確かに…二年間も待っていたリィナが自分から歩き出すのはいいんじゃないでしょうか。ヴィルについても間違いなくその通りです。ほんと、甘えてちゃだめですよね…。」
い「ほら彼女のお墨付きが出た。オッケイ。」
泉「…もういいよ。じゃあ新しい恋でも頑張って探して下さい。」
い「言われるまでもございません。…そしてエンディング、再びの日常で締めくくりです。」
泉「アニメの最終回のエンディングテーマとかにありそうな感じで、それぞれのその後を短く書いていく…といった演出なわけだ。」
い「正解。最後に再びメインタイトル…騒々しい巣箱、つまりRomping Birdhouseとそこからの巣立ちを前にして……物語は終了!」
泉「お疲れ様でしたー。…と長い話だったわけですね。」
い「…そりゃこれだけつめこめば16万字も仕方ないよなあ。」
泉「10万オーバーなら分かるが、16万字はさすがにムダが多すぎると思うけれどね。」
い「いや、今回の話はこのムダこそがあの学園風の空気を出すのに必須だったわけであって…。」
泉「いいわけご無用。だいたい、このあとがきももう18000字を越えてるっての分かってる?」
い「…え?」
泉「ツッコミどころが多すぎるから。かなり端折ってもこれだけかかったの。」
い「…あちゃー。まあ仕方ない、そろそろ締めくくろうか。」
泉「はいはい。では最後に、今回のこの過去を元にした話ですが…どうだった春花?」
花「いづみさんが書いているうちに、今まで見えてなかったものがちょっとだけ見えてきた気がしますね。」
い「えへん。」
花「…まあひょっとしたらそれも創作によって作られた錯覚かもしれませんが。」
い「……。」
花「ですが、今回は恋愛そのものを書くよりはそれに伴う成長を書いた、とみなしていいんじゃないでしょうか。」
泉「その割にはどうでもいい部分が多いというか、ほとんど四章でまとめてケリをつけたって気がしなくもないですが。」
花「…まあそれはいづみさんの腕の問題ということで。とはいえ、なかなか面白かったですよ。お疲れ様でした。」
い「いえいえどーも。」
泉「別人格同士の自分で自分をほめてりゃ世話ないっての。…じゃ、一応いづみにも改めての感想を聞いておこう。」
い「連載疲れました。」
泉「…まあね。」
い「練りこみの甘い作品を出してすいません。どうか石を投げないで下さい。」
泉「おーい。」
い「…何はともあれ、これだけのだらだらと長い作品を読んで下さったのならそれだけでも嬉しく思います。楽しんでいただければ何よりなんですが。」
泉「まあつまらなかったらこんなの途中で飽きるだろうしね。」
い「皆さん、どうもありがとうございました。」
泉「…はい。じゃ、いづみのお礼も出たところでここで締めくくるとしますか。」
花「そうですね。」
泉「ええと…こんな長々しい蛇足のあとがきにまでお付き合い下さり、どうもありがとうございました。」
花「色々と暴露された過去の裏話は、まあ全て昔のことですので。あんまりいぢめないで下さいね。」
い「それではみなさん、また会う日まで。ごきげんよう。」

深く礼をする三人。
そこに、頭上からゆっくりと幕が下りてきて……end.

            「ありがとうございました。」  ―by.いづみ&泉&春花.


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